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機動戦士Vガンダム 作品紹介




『機動戦士Vガンダム』(きどうせんしヴィクトリーガンダム、MOBILE SUIT VICTORY GUNDAM)は、サンライズ制作のテレビアニメであり、「ガンダムシリーズ」の1つ。1993年(平成5年)4月2日から1994年(平成6年)3月25日まで全51話がANN系で毎週金曜日17時00分 - 17時30分に放送された。「Vガンダム」、「Vガン」と略される。平均視聴率は3.92%。
 
物語
宇宙世紀0153年、地球圏を統治している地球連邦政府は形骸化し、宇宙に存在する各サイドは連邦政府の統制を離れた独自の道を歩み始め、各地で紛争が勃発する「宇宙戦国時代」に突入していた。
そのなかでもサイド2に存在するザンスカール帝国は恐怖政治と、救済と慰謝を基調とするマリア主義を掲げて急激に民衆の支持を獲得し、地球に向けてベスパと呼ばれる帝国軍を派遣した。ベスパはヨーロッパの都市 ラゲーンを制圧下に置いた後、地球侵攻のための拠点とする。また、ザンスカール帝国への抵抗活動を続けている組織 リガ・ミリティアの構成員たちも、それに対抗してヨーロッパで散発的な抵抗を始める。
こうした中、ヨーロッパの都市 ウーイッグ近くに存在するカサレリア近辺にてパラグライダーを操っていた主人公の少年 ウッソ・エヴィンはベスパのMS(モビルスーツ) シャッコーとリガ・ミリティアに所属する小型戦闘機との戦闘に巻き込まれ、シャッコーに引っかかり取り付いた挙句、パイロットを引き摺り落としてMSを奪ってしまう。
これを発端に、その後ウッソはリガ・ミリティアと共に、数奇な運命をたどることになる。
 
作品解説
ガンダムシリーズのTVアニメとしては第4作目にあたり、2012年現在宇宙世紀を舞台とした最後のTVシリーズ。SDガンダム世代の小学生に受け入れ易くするため、主人公の年齢は13歳と従来のシリーズから引き下げられ、同じ理由から旧作ガンダムを知らない世代でも理解できるよう、旧作とはほとんど関連を持たない内容になっている。
監督の富野由悠季によると、本作はテレビアニメの原点に戻って、楽しいロボットアニメ。かつ当時の子供に流行のRPGを意識し、主人公が中心のシンプルかつマンガチックな作品を目指していたという。物語序盤は明朗活発な主人公ウッソ・エヴィンが幼馴染のシャクティ・カリンや憧れの女性カテジナ・ルースを守るためにガンダムに乗り込み、トリッキーな戦法で敵を打ち負かすというシンプルな活劇としての方向付けがなされていた。しかし物語が進むにつれ、宗教を背景とした民族主義など難解なテーマに重きが置かれるようになっていく。また、ギロチンで主人公の仲間の首がはねられたり、敵のパイロットが非武装の民間人の虐殺を楽しむような描写や、戦闘の際に機体を破壊するのではなく、コクピットを潰したりビームサーベルで中のパイロットを焼き殺すなどの残酷描写がある。
主役機Vガンダムのデザインにはカトキハジメを起用。シンプルなデザインながら、合体変形機構を持つ玩具性の高いものとなった。敵メカニックは宇宙人をコンセプトとしており、ビームローター、MS乗用一輪車、巨大バイク戦艦など、従来とは一線を画す設定が取り入れられた。特徴的なネコ目状のカメラアイに関しても(宇宙人がモデルではないかとの説もある)遮光器土偶がモチーフとなっている。
キャラクターデザインには逢坂浩司を起用した。富野は自身の作品を褒めることが珍しく、本作についても「一番嫌いなガンダム」であると発言しているが、キャラクターデザインが本作の救いだったと後日語っている。富野は本作の結末について、『機動戦士Vガンダム大辞典』では「とっても好きなエンディングなんですよ」と語っているが、他方『∀の癒し』では「現実に対する恨みつらみをこめたもので、何より作品として終わらせるというものになっていない」とも語っている。
音楽は千住明が担当し、本作のサウンドトラックは、アニメとしては当時珍しいフルオーケストラを起用した。スタッフはもちろん作曲家を褒めることもほとんどない富野は、曲の収録風景を見学に行って「幸せだ」と感じたという。千住は「Vガンダムを担当するに当たって、自分のもつ引き出しをすべて出し切るつもりで臨んだ」と語っている。また千住はアルバム「機動戦士Vガンダム~交響組曲第二番 THOUSAND NESTS」(演奏:ポーランド放送管弦楽団、指揮:アンソニー・イングリス)を自身の代表作として語っている。オリジナルサウンドトラックはCDで3枚が発売されており、千住の手がけたサウンドトラック以外にも、1巻の「野辺の花」の後半パート(前期OPテーマ「STAND UP TO THE VICTORY~トゥ・ザ・ヴィクトリー~」のアレンジ版、次回予告で使用)や、挿入歌「ひなげしの旅のむこうに」「いくつもの愛をかさねて」などが収録。ただし、上記の「野辺の花」のピアノバージョンなど、未収録曲が10曲ほど存在する。
ウッソ役には当時19歳の新人で、本作が声優デビュー作となる阪口大助が抜擢された。また、後に『機動武闘伝Gガンダム』のドモン・カッシュを演じる関智一がトマーシュ・マサリク役で出演。関は、本作が声優としての本格デビュー作に当たる。また、各話のゲスト声優にも『新機動戦記ガンダムW』のヒイロ・ユイを演じた緑川光など、後の平成ガンダムシリーズ3部作のメインキャラクターを演じる声優が数多く出演している。
制作時の仮題は「新機動戦士ビクトリーガンダム」。第1話の絵コンテはこのタイトルになっている。
 
商業的事情
当初は劇場版『機動戦士ガンダムF91』のTVシリーズ化が予定されていたが、同作の商業的不振により、企画を練り直した本作が制作された。当時バンダイがサンライズ買収を予定しており、サンライズ上層部は主力作品であるガンダムの人気を再燃させることで、より有利に買収を行わせようと意図していた。富野はこの事実を知らずに製作に入ったと後年述べており、そのことについて今でも当時のサンライズ上層部からの謝罪が無く許せないとも語っている。
本作はSDガンダムを支持する小学生などの新しいファン層を開拓することによって、当時マニア化、高年齢化していたガンダムファン層の活性化を図る目的があった。しかし難解な内容のため、本来の対象であるはずの小学生からは支持されず、結局旧来のガンダムファンがファンの中心となり、関連商品の購買層も高齢化した。本作のビデオソフトの当時のアンケートによると当時の購買層は20代前半の男性で、ちょうど中学生の頃に『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』を見ていた世代に当たるという。
本作が放映された1993年はリアルガンダムのプラモの売上が倍増しており、落ち込み気味だったSDガンダムの不振を補い、バンダイ模型部門の売上を伸ばした。しかし販売個数としては1000万に満たず、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が公開された1988年と同程度に留まり、さらに本来取り込みを狙っていた小学生層の支持獲得にも失敗した。特に後者が大きな要因となり、次作として企画されていた「ポルカガンダム」は製作中止。結果としてそれまでの宇宙世紀シリーズとは全く異なる新シリーズである『機動武闘伝Gガンダム』への制作に繋がっていくことになる。なお本作はサンライズとしては赤字だったものの、LDの好調により制作費を回収することができた。本作はVTR・LD合わせて各巻平均1万5千本を販売した。
 
登場人物
リガ・ミリティア
ウッソ・エヴィン(声:阪口大助)
シャクティ・カリン/次回予告ナレーション(声:黒田由美)
ザンスカール帝国
カテジナ・ルース(声:渡辺久美子)
クロノクル・アシャー(声:檀臣幸)
 
登場兵器
リガ・ミリティア
ヴィクトリーガンダム
V2ガンダム
ガンイージ
ガンブラスター
ザンスカール帝国
地球連邦軍
ジェムズガン
ジャベリン
 
スタッフ
シリーズスタッフ
企画:サンライズ
原作:矢立肇、富野由悠季
総監督:富野由悠季
キャラクターデザイン:逢坂浩司
メカニカルデザイン:大河原邦男、カトキハジメ、石垣純哉
メカニカルデザイン協力:佐野浩敏
文芸設定:井上幸一
設定制作:河口佳高
色彩設定:小松佳江、中山昇
美術監督:池田繁美
撮影監督:奥井敦、大神洋一
音楽:千住明
音響監督:浦上靖夫
演奏:キングレコード・フィルハーモニック・オーケストラ、篠崎正嗣ストリングス
編集:鶴渕友彰
プロデューサー:小泉美明(テレビ朝日)、植田益朗(サンライズ)
アシスタントプロデューサー:望月真人
制作協力:スタジオディーン
製作協力:電通、創通エージェンシー
製作:テレビ朝日、サンライズ
 
主題歌・挿入歌
前期オープニングテーマ『STAND UP TO THE VICTORY ~トゥ・ザ・ヴィクトリー~』(1 - 31話)
作詞:井荻麟、みかみ麗緒 作曲:川添智久 編曲:神長弘一、川添智久、井上龍仁 歌:川添智久 コーラス:田村直美
後期オープニングテーマ『DON'T STOP! CARRY ON!』(32 - 51話)
作詞:西脇唯 作曲:小泉誠司 編曲:福田裕彦 歌:RD
前期エンディングテーマ『WINNERS FOREVER~勝利者よ~』(1 - 31話)
作詞・作曲:長友仍世 編曲:板倉雅一、infix 歌:infix
後期エンディングテーマ『もう一度TENDERNESS』(32 - 51話)
作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:葉山たけし 歌:KIX-S
挿入歌『ひなげしの旅のむこうに』
作詞:井荻麟 作曲・編曲:千住明 歌:小峰公子、黒田由美
挿入歌『いつかまた生まれた時のために』
作詞:小峰公子、井荻麟 作曲:保刈久明 編曲・歌:karak
挿入歌『生まれてくるものへ』
作詞:井荻麟 作曲・編曲:千住明 歌:ACEILUX
挿入歌『いくつもの愛をかさねて』(50 - 51話)
作詞:井荻麟 作曲・編曲:岩崎元是 歌:岩崎元是
※『WINNERS FOREVER~勝利者よ~』は、当初『仮面ライダーZO』のテーマ曲として作成されたもので、元は「WINNERS FOREVER」の部分が「RIDER FOREVER」となっていた。
 



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